ルビー色の花が咲く、上品な味わいの手打ちそば「赤そば茶屋」
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- かみやかなこ
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- 八木萌子いなべ市地域おこし協力隊
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そば生産三重県一を誇るいなべ市は、秋になると真っ白な花を咲かせたそば畑が絨毯のように広がる。そんな中、いなべ市藤原町長尾地区のそば畑はルビー色の花が咲き、まるで、紅白で祝福しているようだ。
この赤い花を咲かせるそばを食べられるのが阿部和子さんが営む「赤そば茶屋」。
この地域を元気にしたいたいと開いた赤そば茶屋で、上品な味わいの「赤そば」を堪能してみては。
赤そばを育て、打つ

「この地域を元気にしたい」
阿部さんは、いなべ市藤原町長尾で生まれ育った。
自然豊かな土地だが、年々地域の畑が荒廃していくのを見て2013年ごろ、営農に携わる夫の聡さんが、耕作がされなくなった畑を預かりそば作りを始めることにした。
通常、そばは白い花を咲かせることで知られるが、ここでは「高嶺ルビー」という赤い花を咲かせるそばの生産することにした。「お花が美しく、食感もコシがあって珍しい赤そばを育てることにしたんです」。
阿部さんは2017年ごろから収穫したそばを使い、地域の有志を集めそば打ちの道場を始めた。
そば打ちを極めていくと、また一つの夢ができた。

「地域の人の居場所となるような場所を作りたい。地域のお年寄りの方がそばの花を見て、そばをすすったり、地域の野菜を食べる場所があったらって」
美しい花が咲く場所で、食べ物を巡って地域の人が交流し合う場所。
訪問看護師だった阿部さんは、人は人と交流することで元気になると感じていたそう。
そばを通じて、そんな居場所ができるでは、そんな青写真を描いたのだ。

日々そばの腕を磨き、そば打ちの段位を認定する一般社団法人「全麺協」の五段位を取得。そして、2022年、70歳になる2ヶ月前に夢の店舗をオープンした。「こんなお店を作りたいと話していたらね、それが周りの人の力添えでできました」と無邪気に笑う。当時描いた青写真がそのまま現実となった。
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written byかみやかなこ
いなべ市藤原町出身のライター。新聞記者を経て取材・執筆業。出版社等で雑誌、webメディア企画取材、書籍編集協力。「歴史・文化・先人の知恵を次世代に繋げる」ことをテーマに、地方創生や伝統継承などの取材を重ねる。 -
photo by八木萌子いなべ市地域おこし協力隊
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赤そば茶屋
- 住所
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いなべ市藤原町長尾357-1
- WEB
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公式サイト
- TEL
- 0594-46-8911
- 定休日
- 日、月、火、水
- 営業時間
- 11:00ー13:30(LO)
- 駐車場
- 有
- その他
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メニュー例 茶屋御膳(赤白2種盛り) 2,080円(税込)(2025年11月現在)
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