そばの産地を訪ねる
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市内外で愛されるいなべのそば


そばの実ができると、いなべ市内で収穫されたそばの実は藤田さんが経営する「ふじた農産」に集まります。蕎麦に混じった石やごみを取り、大きさを選別。そして丁寧に石臼で挽いて製粉し上質なそば粉を作り上げるのです。
こうしてできたそば粉や乾麺は、市内外の販売所や、名古屋の「沙羅餐」などの名店に卸売をしており、各地で愛されています。
また、このそば粉を使い、市内各所でそば打ちに励む人も。
そばを打つ人の職人技と掛け合わせ、白く繊細ないなべそばらしい洗練された姿に仕上がります。
「いなべのそばは、ほら、おいしいわさ。甘みがあってな、そばの香りがふわりと香るんやわ。食べたらわかる」(藤田さん)
生産地で感じる大地の恵み

山の麓の、真っ白な絨毯のようなそば畑。
幾種類もの昆虫が妖精のように飛び交うその場所で深呼吸をすると、大地と人が織りなす恵みを全身で感じるようです。
里山の風景を作り、香り豊かなそばができる背景には、この町を想い、季節と対話し、自然と共生する人の姿がありました。
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written byかみやかなこ
いなべ市藤原町出身のライター。新聞記者を経て取材・執筆業。出版社等で雑誌、webメディア企画取材、書籍編集協力。「歴史・文化・先人の知恵を次世代に繋げる」ことをテーマに、地方創生や伝統継承などの取材を重ねる。
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ふじた農産
- 住所
- いなべ市藤原町山口4152
- WEB
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公式サイト
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