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そばの産地を訪ねる

written by
かみやかなこ
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市内外で愛されるいなべのそば

市内各地でそば打ちの会が開かれる。写真は夢かなえ荘の蕎友会のそば打ち
藤田農産のいなべ石臼挽きそば。生産から商品化まで一貫して行っている。

そばの実ができると、いなべ市内で収穫されたそばの実は藤田さんが経営する「ふじた農産」に集まります。蕎麦に混じった石やごみを取り、大きさを選別。そして丁寧に石臼で挽いて製粉し上質なそば粉を作り上げるのです。

こうしてできたそば粉や乾麺は、市内外の販売所や、名古屋の「沙羅餐」などの名店に卸売をしており、各地で愛されています。
また、このそば粉を使い、市内各所でそば打ちに励む人も。
そばを打つ人の職人技と掛け合わせ、白く繊細ないなべそばらしい洗練された姿に仕上がります。
「いなべのそばは、ほら、おいしいわさ。甘みがあってな、そばの香りがふわりと香るんやわ。食べたらわかる」(藤田さん)

生産地で感じる大地の恵み


山の麓の、真っ白な絨毯のようなそば畑。
幾種類もの昆虫が妖精のように飛び交うその場所で深呼吸をすると、大地と人が織りなす恵みを全身で感じるようです。

里山の風景を作り、香り豊かなそばができる背景には、この町を想い、季節と対話し、自然と共生する人の姿がありました。

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2025.11.21