いなべで、そばを打つ
- written by
- かみやかなこ
- #体験
そばの産地いなべ市では、「そば打ち」の会が各所で開かれ、そば打ちの段位取得を目指す人や、趣味でそば打ちを楽しむ人が多くいます。
親子でそば打ち体験を楽しみたい人から、この道をとことん極めたい人まで。
一度体験すると、その楽しさと奥深さにのめり込んでしまうことでしょう。
そば打ちの技と、体験できる場所をご紹介します。
そば打ちの技を知る

そば打ちは「水回し」「練り」など木鉢でそば粉をまとめることから始まります。
「一鉢二延し三包丁」「包丁三日、延し三月、木鉢三年」などといわれるように、そばをまとめる最初の技術の習得には、長い年月がかかるとされる重要な作業です。

その後、のし棒で丸く延し、それから真四角へと形を変えていきます。

最後には大きなそば包丁で、一寸(約3cm)の幅を1.3mmずつ、23本に切りそろえます。こうして、白く美しい二八そばができあがります。
市内各所で開かれるそば打ちの会

川のせせらぎと鳥や虫の音色が賑やかな、いなべ市藤原町鼎の「夢かなえ荘」では「みえきた手打ちそば同好会『蕎友会』(代表:坂口正人さん)が毎週そば打ちの会を開いています。。代表の坂口さんは、20年ほど前からそば打ちの世界の奥深さに魅了され、自らも毎日そば打ちをして指導を続けています。

蕎友会では 精神を研ぎ澄まし、そばと向き合う真剣な姿が見られました。
そばを打つ楽しさが伝わる空間です。
一度体験したい方も、本格的に技を磨きたい方も、自然豊かな「夢かなえ荘」を訪れそば打ちをしてみるのはいかがでしょうか。

また、いなべ市北勢町開かれるいなべ市蕎麦打ち同好会「雅」(代表:杉本光太郎さん)では、毎日のようにそばを打つ人が訪れます。そば生産が盛んになるいなべで、いなべ市役所職員ら有志が集まり、2008年に「雅」が結成されたことが始まりです。
この日は10人ほどが訪れ、全麺協の上位の段位取得者が助言しながら腕を磨いていました。そばを打ちを通して日々研鑽しあう姿はとてもまぶしく、部活動のような空間。
大人になっても共通の目指すものを持ち、励むことの喜びが伝わるようです。
同会は体験、入会ともに可。
また同会の有段者がいなべこども活動支援センターで夏休みと冬休みに親子蕎麦打ち体験も開いています。
いなべのそば打ち体験

そば打ちを極めたい人も、一度体験したい人も、門を叩いてみてはいかがでしょうか。そこから新たな世界が広がるかもしれません。
| 主催者 | 体験 | 実施日 | 場所 | 問い合わせ先 |
| 蕎友会(坂口さん) | 可 | 毎週月・水 | いなべ市藤原町鼎(夢かなえ荘) | 090-1563-6141 |
| 雅(杉本さん) | 可 | 毎日 | いなべ市北勢町 | http://inabesoba.com/inquiry |
| いなべこども活動支援センター(雅) | 可 | 夏休み、冬休み | いなべ市員弁町楚原 | https://www.inabecs.jp/?p=12664 |
| うりぼう | 可 | 第2、4土 | いなべ市員弁町大泉 | https://www.net-uribou.jp/trial/index.html |
| 赤そばの会 (阿部さん) | 入会希望者のみ体験可 | 毎週水 | いなべ市藤原町長尾 | https://akasoba.jp/akasobanokai.html |
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written byかみやかなこ
いなべ市藤原町出身のライター。新聞記者を経て取材・執筆業。出版社等で雑誌、webメディア企画取材、書籍編集協力。「歴史・文化・先人の知恵を次世代に繋げる」ことをテーマに、地方創生や伝統継承などの取材を重ねる。
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