植物とコーヒーの香りが出迎えるポップな古民家複合施設 「punkt.&フジモリ植物」
- written by
- かみや かなこ
- photo by
- 八木萌子
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三岐鉄道北勢線終点の阿下喜駅下車徒歩3分。阿下喜商店街の入り口に、ポップなハイタッチの絵が現れる。COFFEE HOUSE punkt.(プンクト)とフジモリ植物が同居する築約60年の古民家複合施設だ。
古民家の懐かしさとポップな軽やかさが融合する店舗に入れば、植物とコーヒーの香りが出迎える。パティシエの店長が腕をふるう絶品スイーツとていねいなヒアリングを元に選んでもらえる植物。一見共通点のないものたちが、一つの空間で心地よく共存している。
人と植物の共存を提案するフジモリ植物

ゴムの木、サボテン、エバーフレッシュ。引き戸を開けると土間でフジモリ植物のグリーンが出迎える。オーストラリアのOGプランツ、バンクシア、アリウム……30〜50種類の花が並んでいる。日差しも物ともせず、たくましく咲き誇る生命力のある花々。
そういえば、お花屋さんなのに冷蔵室がない。

「お花はお客さんのお家では常温で飾られます。だからできるだけ同じ環境で販売しています」
ここフジモリ植物は、ずっと一緒に過ごすグリーンと、常温で保存できる丈夫な花を取り扱うお花屋さんなのだ。
ヒアリングを元に選ぶあなたにふさわしい花

店長の藤森美波さんは、デザインの専門学校を卒業後、不動産会社で営業を担当してきた。結婚を機にいなべに住み、鈴鹿の生花店に勤めグリーンを担当するようになった。
「いつか、いなべでのお花屋さんを開きたい」
何か手掛かりはないかと、調べるうちに松風カンパニーの存在を知り「いなべでお花屋さんを開きたい」と伝えた。系列店の阿下喜食堂でアルバイトを経て、同社が2023年に開いたこの複合施設でフジモリ植物を開業した。

「おうちのどこに飾りますか?」
藤森さんは、好奇心旺盛な少女のようにグッと人の目をとらえる。小さなお子さんがいるかどうか、ペットを飼っているか、どこに置くのか、どんな気分になりたいのか、どんな方に渡すのか、間取り、日当たり……。不動産営業時代の知識や経験を活かして、植物の置く場所をヒアリングで把握する。
「植物は、購入した方の家で長く過ごすからこそ、心地よく共存できるものを提案しています」
そうか、花やグリーンを購入するということは我が家で一緒に長い時間を過ごすことなのかと、ハッとさせられる。もちろん祝い事などに送られる繊細な花も要望に応じて仕入れているので、事前にほしいものを伝えると良い。また、元気がなくなった植物を持ち込めば、状況を聞いて治すというグリーンレスキューもしているので、植物のことは何でも相談したい。
植物のことを相談できる人が身近いれば、日々の暮らしがもっと豊かになりそうだ。
植物のある暮らし

藤森さんは朝5時に起きて名古屋の市場で花を仕入れる。繁忙期には朝3時に動き出すそうだ。さらに労力がかかるのは帰宅後の水揚げ作業。ゆうに3時間を超える作業だが、ただただお客さんの喜びのお手伝いができることが、楽しくて仕方がないと目を輝かせる。
フジモリ植物を訪れたら、まずは藤森さんに今の自分の話をしてほしい。
「大事な人に渡したい」「特別感のある日を過ごしたい」「癒されたい」「気分転換したい」……。今どんな解決策があるかわからないまま伝えたい。

お花なのに、飾らない姿。ただ、日々の暮らしの中に当たり前に寄り添うものとして、植物と共に暮らす生活が始まりそうだ。そんな、自然な毎日が訪れる。
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written byかみや かなこ
いなべ市藤原町出身のライター。新聞記者を経て取材・執筆業。出版社等で雑誌、webメディア企画取材、書籍編集協力。「歴史・文化・先人の知恵を次世代に繋げる」ことをテーマに、地方創生や伝統継承などの取材を重ねる。 -
photo by八木萌子
いなべ市地域おこし協力隊
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COFFEE HOUSE punkt.(プンクト)
- 住所
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三重県いなべ市北勢町阿下喜1051
- WEB
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公式サイト
- Isntagram
- @punkt.
- 定休日
- 水・奇数月第二火曜日
- 営業時間
- 平日8:30〜17:00 土8:30〜22:00 日・祝8:30〜18:00
- 駐車場
- 有
- その他
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メニュー例
・上木ブレンド 600円
・モーニングセット バタートースト+ゆで玉子 ドリンク代のみ
(ハニートースト+100円,八風農園のサラダ+200円,ハム+300円ほか)
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フジモリ植物
- 住所
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三重県いなべ市北勢町阿下喜1051
- Isntagram
- @フジモリ植物
- 定休日
- 水・木
- 営業時間
- 月・火11:00-17:00 金13:00-17:00 土日祝11:00-18:00
- 駐車場
- 有り(詳細はインスタグラム内)
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