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  • 風景

眼下一面に広がる梅の花。先人手作りのいなべ市「梅林公園」

written by
かみやかなこ
photo by
グリーンクリエイティブいなべ
  • #梅まつり
  • #歴史
  • #花

春の訪れを知らせる梅50種2000本が咲き誇る、東海エリア最大級の「梅林公園」(いなべ市藤原町鼎)。いなべの観光名所として知られ、年間8万人が訪れます。

ここは、荒廃した土地を未来まで繋ごうと、先人らが1本1本大切に梅の木を植えたことから始まりました。
次の次の次の世代、まだ見ぬ未来の人々へ、この美しい場所を残そうと想いを込めて植えられた梅林公園。

2026年2月21日(土)から3月20日(金)まで、梅まつりが開かれます。
梅の花の香りに包まれて、ピンクや白で彩られた梅林の世界に入り込み、高台からその絶景を見渡して春の訪れを喜ぶときを過ごしてみませんか。

荒廃した土地を住民の手で甦らせた、梅林公園

荒廃していた敷地 画像:梅林公園提供動画より抜粋

梅林公園が生まれたのは1999年。1972年に工業農業用水、飲料水を確保するため、中里ダムを作ったことから始まります。水没農地の代用地として、山林であった当地を切り開き、68haの畑地を増場し、野菜や果樹などを生産して農業経営の多角化を目指しました。

しかし、山の中で野菜作りをすると、獣害被害で作物が取れないなどで次第に荒廃する中で、この場所を次世代に繋げようと始められたのが梅林公園計画でした。1999年度から38haの公園整備に着手しました。

「わしらが作った公園に遊びに来ておくれ」

スローな公共事業と呼ばれた梅林公園計画(画像:梅林公園提供動画より抜粋)

「スローな公共事業」とも称された梅林公園計画は、農村と都市の交流、循環型社会の構築、高齢者福祉と雇用創出を目指し、取り組まれました。

建設業者や土木建築事業に従事した人材、地元シルバーさんがともに始めます。官民連携で、シルバーさんの長年培われた知恵と工夫で計画を進めました。
粘土質で気温に左右される場で、官民一体となり、ご高齢の方々の生きた知恵を出し合いながら一つひとつ手作りで公園が作られました。

梅の木を一本一本植えていく地元の方々(画像:梅林公園提供動画より抜粋)

公園を作った当時の様子が動画で残されています。

石を取り除き、草を抜き、一本一本梅の木を植えていく。
地元を誇りに想い、ていねいに土地を整える姿。

「人生最後の生きがいとしてね」
と笑顔で語り、花が咲く日を思い描いて作業する姿が残されていました。

梅林公園を手作りで進めた皆さん (画像:梅林公園提供動画より抜粋)

「わしらの作った公園に遊びに来ておくれ」。
自然豊かな山奥のこの公園が、多くの人でにぎわう姿を夢見たメッセージ。

こうした先人らの想いが実を結び、毎年美しい梅の花が咲く場所となりました。

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  • いなべ市農業公園「梅林公園」

    住所
    いなべ市藤原町鼎717
    WEB
    公式サイト
    TEL
    0594-46-8377
    営業時間
    9:00-16:00
    その他

    梅林公園「梅まつり」
    開催期間:2026年2月21日(土)〜3月20日(金)

2026.2.19