暮らしから紡ぐ旅のガイド。いなべ暮らしを旅する。

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山辺で味わう、朝打ちたてのいなべそば「麺処はな」

written by
かみやかなこ
photo by
八木萌子いなべ市地域おこし協力隊
  • #そば

山辺の風景が広がるいなべ市藤原町の国道306号沿い、「簡易パーキングふじわら」内に一軒のそば屋がある。その日の朝打ちたてのいなべのそばを堪能できる「麺処はな」だ。
自然の空気が心地よい場所で、ていねいなおもてなしと、いなべ産そばのしっかりとした豊かな味わいを堪能できる。
地域で採れた季節の野菜や山菜の天ぷらも魅力の一つ。天丼・ざるそばセットはボリューム満点。澄んだ空気と共にお腹も心も満たされる時間となることだろう。

いなべ産そばを食べる、つながり循環する

ていねいな接客でいただくいなべそば

「いらっしゃいませ!!」
お店に入ると、大きく元気なあいさつで迎えてくれる。
入口でメニューを選び席につき、注文した商品ができあがると大切なものを守るように配膳してくれた。
そんなあたたかなもてなしを受ける喜びを感じながら、そばをいただく。

2012年にオープンした「麺処はな」は、いなべ市藤原町山口の306号沿い、緑に囲まれる「簡易パーキングふじわら」内にある、朝打ちたてのいなべ産そばを食べられるお店だ。

ここは、社会福祉法人晴山会が運営する就労継続支援B型の店。障がい者福祉サービスの一つで、職員と利用者がそばを打ち、提供している。
元気の良いあいさつや、まっすぐな接客に元気をもらうようだ。

朝製麺し、昼に打ちたてのそばを提供する。


朝9時になると市内の製麺所「麺工房はな」で製粉から製麺までおこなう。職員と利用者がそばの実を石臼で挽き、皆で代わる代わる打ち、最後に機械が均一の細さに切り出し、毎日安定したおいしいそばができあがる。
その日の麺が完成すると、皆で店舗の「麺処はな」へ打ちたてのそばを持って移動して、店を開いて提供している。

ここは働くこと、食べること、地物を通じてつながり、循環する場所だ。

支援員の近藤さん。支援をしながら支援員、利用者一丸となって朝からそばを作り提供する


生活支援員近藤辰昭さんは「利用者さんの働く場作りを支援するとともに、訪れる人にも喜んでもらえるものを提供したいですね」と話す。
支援員として施設の利用者さんの支援をすると同時に、お店としてもおいしいものを提供できるよう、有段者を店舗に招き、毎月そばの講習を受け皆でそばの腕を磨き続けている。

「そば作りをしていると、お水の加減や温度で日々仕上がりが変わるんですね。茹であがった時に、キュッと引き締まるように仕上がるんです」。ここで長年働く人たちは、その手触りで今日もおいしいそばができたことを実感するのだと口々に話してくれた。

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2025.12.15